作るもの
この写真のようなゴーファーのピアスを作ります。本当はちゃんとした金属で作りたいのですが難しいため、3Dプリンターを使ってABS樹脂で印刷し、メッキ風の塗料を使って金属風に仕上げます。必要なもの
- 道具
- 3Dプリンター(筆者が使っているのもの)
- リューター
- 研磨用ビット
- ドライブース代わりの食器乾燥機
- Mr.ネコの手
- ネコの手ステーション
- 塗料や消耗品
- タミヤサンドペーパー(180番〜1000番)
- タミヤセメント ABS樹脂用
- 溶きパテ
- パテ
- サーフェイサー
- コンパウンドトライアルセット 25gx3種
- メッキ風の塗料
- トップコート 光沢 スプレー
- その他
ゴーファーの紹介
ゴーファー(Gopher)はプログラム言語の1つであるGo言語のマスコットキャラクターです。ゴーファーは実在する動物で、ジリスの一種でもあります。ゴーファーはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedのライセンスで公開されています。オリジナルのデータ
teamstickman氏が可愛いゴーファーのモデルを公開しているのでこれをベースにします。筆者はBlenderというツールを使っているので、それで編集します。https://github.com/StickmanVentures/go-gopher-model
3Dプリンターで印刷する
印刷用データにする
オリジナルのサイズだと大きすぎるので高さ2cmくらいになるようにサイズ調整をします。そして、ヒートン(後述の固定するための金具)を打ち込むための穴を開けます。穴の直径は1.5mmにしました。3Dプリンターによっては太くなったり細くなったりするので、その辺りは自分の3Dプリンターの癖に合わせましょう。3Dプリンターでそのまま印刷すると、オーバーハングで浮いている部分にサポートを作るのですが、サポートを剥がした部分がガビガビするため、2つに割って印刷します。
接着する
分離して印刷したものを接着します。筆者はABS樹脂で印刷したので、ABS用の接着剤を使用します。使用する樹脂によっては適切な接着剤を使用しないと容易に剥がれたりするので気をつけましょう。特にABS樹脂は接着剤の相性が大きいので要注意です。
表面を整える
印刷して接着して完成といいたいところですが、3Dプリンターで印刷したものは表面が荒いため、いろんな道具を使って表面を整えます。リューターで大まかに均す
まずはリューターで大まかに表面を削って均します。回転速度が速すぎたり、押し付けるのが強すぎたりすると表面が熱を持って溶けてしまうので、加減をしながら削ります。
サンドペーパーで更に均す
リューターでだいたい成らせたら、180〜320番くらいのサンドペーパーで表面を更に均します。このタイミングでは320番より大きな番手は不要です溶きパテを使う
3Dプリンターで印刷したものは微妙に隙間が空いていたりするので、その隙間を溶きパテで埋めます。溶きパテはちゃんと掻き混ぜた後、筆で塗ります。溶きパテが乾いたらサンドペーパーで磨いて更に均します。
サーフェイサーで表面を確認する
320番くらいのサンドペーパーで一通り綺麗になったら500番のサーフェイサーを吹きます。灰色のサーフェイサーだと、表面の具合がとてもわかりやすくなります。
乾燥させて、表面に荒いところがあるなら前の工程に戻ります。
問題がなさそうならサンドペーパーの番手と、サーフェイサーの番手を上げてきます。
コンパウンドで磨く
2000番のサンドペーパーまで磨いた後はコンパウンドで更に磨きます。コンパウンドはメーカーによって細かさが異なるのですが、99工房の極細ならツヤがでるまでできます。リューターでフェルトバフにコンパウンドを付けて磨くこともできますが、バフの種類によっては削れ過ぎたり、熱で溶けたりするので気をつけてください。
塗装する
表面が仕上がったら塗装しましょう。筆者が持っているゴールドやシルバーの塗料は、Mr.Colorや染めQのものになります。
2社の違いは筆者の感覚は次のとおりです。
- Mr.Color
- 表面処理をちゃんとしないと艶が出ない
- 塗膜が強い
- 染めQのメッキ感覚
- 2000番くらいで磨いておけば艶がでる
- 塗膜が厚く柔らかい
- 乾燥はドライブースで2〜3日おいたほうが良い
他のメーカーからも出ているのでいろいろ試してみると良いでしょう。
2つ注意点があります。
1つめは乾燥にドライブースを使う場合、メッキ系の塗料は最初から熱を加えると歪んだり気泡が発生します。最初の数時間は自然乾燥させて、その後、熱を加えるようにしましょう。
2つめは乾燥の具合がわかりにくいため、触って指紋がついたりすると悲しいので、乾燥具合を確かめるために、確認用に別のものを一緒に塗装しましょう(写真右の円盤)。
塗料が十分に乾燥したらトップコートを仕上げに吹きます。
トップコートは無い方が艶が綺麗なのですが、アクセサリーとして使用することを考えると、表面の保護のため必要です。特に染めQのメッキ感覚の塗料は塗膜が弱いのでそのままでは軽く爪が当たるだけでも傷が入ります。
トップコートは水性のものを使用しましょう。メッキ風の塗料にラッカー系のトップコートを使用すると最悪溶けて大変なことになります。
金具を取り付ける
最後にアクセサリーとして使うために金具を取り付けます。ゴーファー側にヒートンを打ち込みます。そしてC環を挟んでピンに繋ぎます。このときにC環は無くてもピンに取り付けられるのですが、C環が無いとピアスとして揺れないので必ず挟むようにしましょう。